マルプーの毛玉は「こすれる場所」にできる。首元・脇・耳裏が要注意
「マルプーなのですが、首元やお腹の毛玉がしょっちゅうできます」。Q&Aサイトに、そんなマルプーの飼い主からの相談を見つけました。マルプーの被毛はゆるいカールが基本です。ただし毛質の個体差が大きく、ペットショップの犬種解説ではトイプードル寄りなら巻き毛、マルチーズ寄りなら直毛と紹介されています。換毛期のないシングルコートで抜け毛は少なめでも、毛はもつれやすく、毛玉ができやすい体質です。
できやすい場所は、はっきりしています。動物病院のコラムが挙げるのは、耳の後ろ・首周り・脇の下・内股です。別の動物病院も、耳裏・胸の下・お腹・脇・内股を「毛が擦れやすく、日々のブラッシングが難しい場所」に挙げています。共通するのは、何かとこすれる場所だということ。首元の毛玉は、首輪・ハーネス・洋服の摩擦が原因になりやすい、とトリミングサロンの解説にあります。
原因はブラッシング不足だけではありません。動物病院が挙げるのは、表面だけで根元まで届いていないブラッシング、シャンプー後の乾かし不足、フリース素材の服、乾燥期の静電気です。「とかしているのに毛玉ができる」なら、根元に届いていないサインかもしれません。
注意毛玉ができると通気性が悪くなって蒸れ、周囲で皮膚トラブルが起こることがあると動物病院が注意喚起しています。毛玉に皮膚が引っ張られ、犬は痛みを感じているという指摘もあります。毛玉の下に赤みやただれを見つけたら、自宅でほぐさず動物病院に相談してください。
毛玉を取る前に。ハサミと「濡らしてから」は避ける
急いで取りたくなっても、道具と順番を間違えると逆効果です。やってはいけないことから確認します。
- NGハサミで毛玉を切る
動物病院の症例報告に、飼い主がハサミで毛玉を切ろうとして、2歳のトイプードルの皮膚まで切ってしまった例があります。傷は縫合処置が必要な深さでした。切れた皮膚は自然にはくっつきにくく、治療が長引く組織だと解説されています。
- NG毛玉があるまま濡らす・洗う
濡らすと毛玉がぎゅっと固く締まり、悪化する場合があると専門コラムが注意しています。シャンプーの前には、毛玉が残っていないかの確認が欠かせません。
- NG力まかせに引きほぐす
獣医師監修のメーカー公式手順でも「無理にとかすのは厳禁」。皮膚が引っ張られて痛いうえ、ブラッシング嫌いの原因になります。
ハサミの事故には共通の構図があります。毛玉をつまんで持ち上げると、根元の皮膚も一緒に引き上げてしまうのです。別の動物病院は、どうしても切る場合はコームを毛玉の下に入れてから、くしの上を切るよう勧めています。皮膚とハサミの間に金属の壁をつくる、という考え方です。それでも、頑固な毛玉は家庭の刃物ではなくプロの領域と考えてください。
マルプーの毛玉のほぐし方。湿らせて、押さえて、毛先から少しずつ
獣医師監修の手順や、動物病院・トリミングサロンの解説に共通する流れを6つに整理しました。合言葉は「湿らせて、押さえて、毛先から少しずつ」です。
- 01おやつでリラックスさせ、毛玉のない場所から
いきなり毛玉に触らないこと。背中などをやさしくとかして、落ち着いた空気をつくってから毛玉に向かいます。
- 02ブラッシングスプレーで毛玉を湿らせる
獣医師監修の手順は、体にスプレーしてからとかす流れです。櫛通りが良くなり、乾燥期の静電気対策にもなります。
- 03毛玉の根元を、反対の手で押さえる
地肌を押さえておけば、ほぐしても皮膚が引っ張られません。痛みを防ぐ最大のポイントです。
- 04指で「さけるチーズ」のように縦に裂く
毛玉を縦方向に小さく分けていきます。大きい塊のままブラシを入れないのがコツです。
- 05スリッカーで毛先から、角度を変えながらとかす
鉛筆を持つように軽く握り、毛先から少しずつ。毛玉は多方向から絡んでいるため、上下左右や斜めと角度を変えるとほぐれやすくなります。
- 06コームを根元から通して最終チェック
引っかからず通れば完了。残っていたら、その部分だけ前の手順に戻ります。
首元・脇・耳裏の毛玉、部位別のほぐし方のコツ
基本の手順は全身共通ですが、部位ごとに気をつけどころが変わります。獣医師監修の手順でも、首周りや耳の後ろは特に注意したい場所とされています。
首元の毛玉は、首輪やハーネスの摩擦とセットで考えます。同じ場所に繰り返しできるなら、当たり方や着けている時間の見直しが再発予防になります。脇の下のような狭い場所では、ブラシが皮膚に直接当たりがちです。トリマー監修のコラムは、毛玉が皮膚に近い場合はブラシを皮膚に当てないよう注意を促し、冷風で毛玉の位置を確かめる方法も紹介しています。
耳裏は、トリミングサロンが「見落としやすい部位」として挙げる場所のひとつです。脇・内もも・尻尾の付け根も同様に挙げられています。全身をとかす余裕がない日でも、この数か所を指で触って確かめるだけで、毛玉の早期発見につながります。
自宅でほぐしてよい毛玉、プロに任せる毛玉の見分け方
がんばりどころと引き際の区別も、取り方の一部です。トリミングサロンの解説では、次の5つのケースは自宅で取らず、プロや動物病院に任せるべきだとしています。
- 皮膚に密着した、フェルト状の毛玉
- 広範囲に及ぶ毛玉
- 犬が激しく嫌がるとき
- 皮膚が赤い・ただれている(獣医師の診察が必要です)
- シニア犬・子犬(体力への負担が大きいため)
トリマー監修のコラムも、皮膚にくっついた毛玉はどんなに気をつけても皮膚を傷つけることがあると指摘し、無理をせずプロに任せる選択を勧めています。重度の毛玉は無理に解かずトリミングサロンへ、と案内する動物病院もあります。嫌がる子に長時間粘るより、一度プロの手でリセットして予防に切り替えるほうが、犬にも飼い主にも負担が少なくて済みます。
マルプーの毛玉予防。根元まで届くブラッシングと摩擦・乾燥対策
取り方を覚えるより、つくらないほうがずっと楽です。予防の柱は4つあります。
トリミングサロンの解説によると、巻き毛の犬は1〜2日とかさないだけでも毛が絡み始めます。月1回程度のトリミングも予防策に挙げられています。服を着せる機会が多いなら、素材にも一工夫を。動物病院はフリース素材を毛玉の一因に挙げ、静電気が起きにくい麻・綿・絹を提案しています。脱がせたついでに首元と脇を指でチェックする習慣も、早期発見に役立ちます。毎日のブラッシングの道具選びは、別記事で詳しく解説しています。
毛玉ほぐしを助けるブラッシングスプレー3本の比較
2026年7月12日時点で販売と公式情報を確認できたブラッシングスプレー3本を、編集部で見比べました。基準は3点です。毛玉・もつれ対策の用途を公式が明記しているか、価格と入手のしやすさ、そして使える場面の広さ。総合1位は、毛玉・切れ毛の防止をうたい、シャンプー前にも日常にも使えるA.P.D.C.のグルーミングスプレーです。
いずれも2026年7月12日時点で販売と公式情報を確認したものです。価格は変動します。
| A.P.D.C. | クイック&リッチ | ラファンシーズ | |
|---|---|---|---|
| 公式がうたう用途 | 毛玉・切れ毛・静電気の防止 | 静電気防止・抜け毛の舞い散り対策 | もつれ・からみ・静電気の防止 |
| 容量と参考価格 | 125mL・¥1,540(250mLもあり) | 200ml・¥768(店舗差あり) | 180ml・¥2,530(60mlもあり) |
| 特徴 | ティーツリーの香り・植物成分配合 | 皮ふ刺激性なし判定の処方 | オイルフリーでベタつきにくい |
使い方の基本はどれも似ています。ライオンペットの公式案内では、顔や目にかからないよう体から10cmほど離してスプレーし、ブラッシングしながら毛並みを整えます。香りの感じ方は分かれるので、迷ったら小さいサイズから試してください。
